「明日世界が終わるとしたら、赤也は何をする?」
『明日の果てにて』
今日のお昼休みに学校で友達がいきなり言い出した。
明日世界が終わるとしたら?
唐突すぎた質問にあたしは答えられなかった。
あたしと赤也が付き合い始めて一週間。
あたしにとって赤也は初めての彼氏だから
こうやって一緒に帰ることさえまだ慣れなくて
いつだって心臓がうるさいくらいに鳴っていた。
「んー。・・・俺は死ぬ時に先輩がそばにいてくれたら、あとはなんでもいいや。」
「・・・なんかしたいことないの?」
確かに今話題をふったのはあたしだけど
・・・縁起でもないよ。
「死ぬとか言わないで。」
赤也からこぼれた不敵な笑み。
2人の足がとまる。
「死ぬまで側にいてほしいってことなんすけど?」
きっと
あたしの今の顔は、
真っ赤な夕日に負けないくらいの色してる。
・・・年下のくせに。
「っ・・・なんでそんなに余裕なの!!」
あっずるい!
隠れるな太陽。
あたしの顔も一緒に隠して。
真っ赤なこの顔。
「・・・さんてかわいいよね。」
「・・・」
見るな、年下。
あたしは、
あなたが好きでしょうがないんだから。
「ずっと一緒にいてくださいよ」
「・・・赤也もだよ。」
繋いだ手。
もしもなんかいらない。
この世界に終わりなんて
来なくていいよ。
end.