私の彼氏はたいそうな自信家です。



















『溺愛アイスブルー』















アイスブルーの瞳



薄茶色の髪



自信家の彼は自信家故に孤高でした。



自信家故に人目を引きました。



彼は










存在こそが魅力だったのです。









。今日も俺の家寄ってくんだろ?」


「んー時間があれば・・・」


「来るよな?」


「・・・・」







あたしの髪をいじりながら



自信家の彼氏が私に言います。



それが当たり前のことだと。






「またな、


「・・・うん」






クラスの違う彼は休み時間の終わりと共に離れて行きます。



あたしはそれが寂しいのに



彼はいつも通りの余裕の笑み



そして離れていくのです。



彼は知っています。



あたしが彼のものなのだと。



そうです。



確かにあたしはあなたのもの。



でも果たしてあなたはあたしのものなのでしょうか?








「・・・・(あ。晴れた)」







さっきまでの曇り空



嘘のように。































・・・会いたくなりました。



























この空にあなたも気付いたのか、聞きたくて。



アイスブルーの瞳



薄茶色の髪



自信家の彼は自信家故に孤高でした。



自信家故に人目を引きました。



孤高で



かっこよくて



自信家で。



休み時間のたびにあたしを訪ねてきてくれる。








「・・・景吾」







あたしはあなたのものでした。



自信家のあなたはそれをしっかり知っていて。



でも果たして







「えー跡部くんの髪マジ綺麗!!」


「あーホントー!」


「ねぇねぇ触ってもいーい?」











あなたはあたしのものなのでしょうか。










自信家故に人目をひくあなた。



あたしなんかより綺麗な女子に囲まれて



あなたを訪ねて来たあなたのクラス。



あたし、名前を呼んだのに



他の子たちの声で



景吾に届かなかった。








・・・嫌だ。







やめて。



女の子の一人が景吾の髪へ触れようと手を伸ばしていて








(嫌。)












































































さわらないで。









































































































「きゃっ!ちょっと何するのよ!!」





「・・・・」






あたしは



景吾の髪を触ろうとしていた女の子の手を掴んでいました。






「ちょっと離しなさいよ!!」


「(さわらないで)」






存在こそが魅力。













アイスブルーの瞳



薄茶色の髪







「・・・。行くぞ」


「え?あっ景吾!」


「ちょっと跡部くん?!」






景吾に引かれたあたしの手



あたしは掴んでいた女の子の手を離すしかなくなり



教室を出て行った景吾に連れられて屋上へ。
































「珍しいな、から訪ねてくるなんて。そんなに俺に会いたかったのかよ。」


「・・・・・・・・・」


。」





彼はたいそうな自信家でした。



屋上でいつも通りの余裕の笑み。



なんだかとても悔しくて。





「景吾のバカ」


「あ?」


「バカ景吾」





だってあたしはあなたのものなのに。



あなたはあたしのものじゃない気がするから。





「髪のことか?」


「(そういうんじゃなくて)」


「仕方ねえだろ?」


「・・・・・・・・・・・・・(何が)」





存在こそが魅力。





「別に髪を触られたからってが俺のこと好きじゃなくなるわけでもねえだろ?」


「・・・・・・・なんで。」


「・・・・聞こえねえ。」


「なんで、そんなに自信があるの?」





泣くものかと。



唇を噛み締めて。



あたしに自信など持たせてくれないのに。





「自信?違うな。」


「・・・・・・(自信家のくせに)」


「俺は自分を信じてるんじゃなくてお前を信じてんだよ。」





アイスブルーの瞳



薄茶色の髪。



自信家。



孤高で。










































「いつも俺が会いに行くとお前はすぐに俺のところまで走ってくるだろ?」















































自信。



一つだけあります。






「だって・・・・」


「・・・・・・・」





例えばね、世界中の女の子みんながあなたを好きになって、



それでもあたしは







「だってあたしが一番、景吾のこと好きだもん。」






誰にも負けないくらいあなたが好きなこと。






「知ってる。」


「・・・・やっぱり自信だよ、それ。」


「それでもいいだろ?お前が俺のこと好きだって知ってるんだから。」


「・・・・・・・・・・・・・・景吾は?」






あたしはあなたのものですが、あなたは?



あたしの髪を弄りながら。



景吾は余裕の笑み。



あたしに触れるだけのキスをした。























「好きでもない奴にこんなことしねぇよ」

























私の彼氏はたいそうな自信家です。



屋上の青い空の下。



あなたがあたしの髪をいじる。





「あ。景吾。忘れてた。」


「あん?何を」


「さっきまで曇ってたでしょ?晴れたんだよ!気付いた?」


「ああ。そういやそうだな。」






























会いたいと思った。



曇ってた空が嘘のように晴れて。



覗いた青空。






























































景吾の瞳と同じ、アイスブルーだったから。







































































End.