なぐさめ



だって泣いていたから







「もっといい男いるって!」


「早く忘れちゃいなよ!」


「・・・」







失恋したんだと泣く友達を仲の良い友達と励ます。











あたしは



終わりのない恋なんてあるのかしら



なんて



感慨にふけってみたり・・・・

































『いつかの日に』






























「え・・・」






中庭の日だまり



見つけたのは青みがかった黒い髪のあなた






「侑士」


「・・・・」


「侑士?」










あなたは、








「(寝てる・・・)」







綺麗な顔の表情は変わることなく



瞼は閉ざされたまま



侑士の小さな寝息






「・・・・」






見たことのない侑士の姿に見とれて



侑士が座ったまま、もたれて眠る木の影に



あたしは座り込む






「・・・(綺麗)」






日差しの下



木陰に守られて



綺麗だと思わされた眠るあなたに心の中で問いてみる












ねぇ、侑士。















































終わりのない恋なんてあると思う?









































「あたしはないと思うの」






ひっそりとあたしの回答



あなたは?









終わりのない恋なんてないよ








だから、いつの日か二人



思い出になってもいいと思ってる
























































「ん?」


「俺、が名前呼んで振り向く時が一番好きやねん」


「何それ?」


「今名前呼んだ理由。」


「変な侑士」


「変ちゃうわ。が好きなだけやもん」
















































「・・・・」






愛しい記憶が



あなたにもあたしにも刻まれるなら



あなたの中にあたしが残るなら



思い出でかまわない。




























かまわない



























「・・・・・なんや、どないしたん?


「(!!)・・・侑士」


「ん?」






日差しの下



木陰に守られて



あなたがあたしを見ていた。






「起こしてくれてよかったんやで?」


「だって・・・侑士が寝てるなんて見たことなかったし」


「・・・俺の寝顔ずっと見てたん?」


「・・・・」






恥ずかしさに負けて



うなずく。






ねぇ侑士






いつかあたし以外の人を好きになるの?



いつかあたしじゃない人に笑いかけるようになるの?



あなたの中に残れるなら、



いつの日か2人、



思い出になってもかまわない。












「・・・・そんな寂しそうな顔。にさせるくらいやったら起こしてくれたほうが俺はよかったんやで?」


「え?」










寂しそうな顔?










「おいで、。」









あなたの声の引力にひっぱられて



差し出された手にためらうことなくあたしの手はその上へ。



そのまま抱き寄せられれば



あたしはあなたに後ろから抱きつかれた状態。












「ん?」


「俺が前言ったん覚えてる?」








終わりのない恋はありはしないから。



いつの日か2人、思い出になってもいい。



けれど、


















あなたの中から、あたしを消さないで。
















あたしから終わらせることは決してないこの恋だから。






「今名前呼んだ理由。」


「・・・名前呼んで振り向く時が一番好き?」


「せや」


「変な侑士」


「変ちゃうわ。が好きなだけやもん」





























(・・・・・・・・・・・・・・・・・・終わらないで)
































背中にから伝わる体温をあなたのものだと何度も何度も確かめる。



ねえ、侑士。



少しでいい



あなたの夢の先まで連れてって。






「さぁて。一緒に寝よか、。」


「また寝るの?ジローちゃんみたい。」


「あんな無作為ちゃうわ。俺は今眠いだけやねん。」






毎日、そうしてくれたら



いつかの未来にたどり着けるから。



いつかの未来も一緒にいられるから。














「ん?」


「・・・・・好きや」







おやすみの代わり。


























日差しの下



木陰に守られて



侑士のぬくもりを背中に受けて



あなたと瞼を閉じた。




























































































ねぇ、侑士。




































この恋に終わりはあるの?



































(あたしは、なくていいの)















ひっそりとあたしの回答。



あなたは?






ねえ、侑士。






少しでいい



あなたの夢の先まで連れてって。




























いつかの未来を、一緒に。





























End.