。」



「はーなーれーてー!!」






待った!待ったてば!!






「嫌。」



「清純!!」























『いざ、尋常に』























とりあえず現状説明。



ここは?学校の屋上。



時間は?三時間目授業中。



今は何を?変態に迫られてます。






「もう楽になっちゃえば?」


「意味が分からないよ!!」






屋上にある貯水タンクの設置された壁に



腕を掴まれて押し付けられる。






「だからー。は俺のものになっちゃえばいいと思うんだよ。」


「はーなーれーてー!!」


「嫌だって。」


「清純ー!」






顔が近い。顔が。



あたしは天気がいい日は太陽に導かれて自然と屋上に向かってしまう。



そして清純と出くわす。



その度にこれ。






「俺はが好きなんだってば!!俺のものになってよ」


「・・・清純、これってフェアじゃないと思わない?」


「え?」


「だってさ!ここで会うたびこの状況でしょ?!」






顔が近い。顔が。



それで好きだとか俺のものになっちゃえとか言うなよ。






「フェア?」


「この状態だとあたしに選択肢はひとつしか用意されてないでしょ?」


「うん」






うん・・・・って、おーい。






「フェアじゃないでしょ?」


「じゃどうしたらいいの?」


「とりあえずこの手を離して」


「嫌だ」


「・・・・清純ー。」


「離したくないよ」






切羽つまった顔でそういうこと言うなって。



顔が近い。顔が。



ずるいじゃない。






「清純。離して。」


「嫌だ。」


「清純。」






フェアじゃない。



こんな状態で迫られて。



あたしには元から一つしか選択肢がなくて。








「清純。この状況であたしに言わせようってほうが無理なのよ。」


「え?」


「迫るなら正々堂々と。好きだって言うなら尋常に。」







多分もう十分すぎるほど正々堂々と迫ってるけど。



でもね。



選択肢が一つしか用意されてない告白なんてダメでしょう?








「ごめん、







清純があたしの腕を離す。



あたしから一歩下がって。






「俺はが好きだよ。だから、俺のものになって。」






答えが一つじゃない中で選んだ答えにこそ価値があると思うんだ。



答えが一つしかない状況で言っても清純に気持ちが伝わってるか心配になるんだよ。

















「・・・いいよ。清純のものになってあげる。」


「(!!)」













あんな風に迫らなくたって










































































心なんて初めからあなたにさらわれていた。































































待って!待てって!!






「きーよーすーみー!!」


「だってが俺のものになってくれるって言ったから」






屋上にある貯水タンクの設置された壁に



腕を掴まれて押し付けられる。



なんでさっきの状況に戻るかな・・・。



迫るなら正々堂々。好きだって言うなら尋常に。



多分もう十分すぎるほど正々堂々と迫ってるけど。
























end.