「あのっじゃっじゃあさ、こうしよっ?」
「・・・・どうすると?」
「明日練習試合でしょ?そっそれでワンポイントも落とさないで雅治が勝ったら・・・・。」
「俺の部屋に泊まってくれる?」
「・・・・・・・うっうん」
「絶対じゃな?」
「・・・・・・」
「?」
「うんっ・・・絶対。」
『恋路』
「なんか今日の仁王先輩雰囲気違いません?」
「・・・・沈んでる?」
「違うぞ丸井。仁王が燃えてる可能性100%だ。」
「・・・・何のデータっすか、それ?」
ワンポイントも落とさない
上等じゃないか
(覚悟しんしゃい。)
今日はうちにお泊まり決定じゃ
「・・・燃えてますね」
「燃えてるな」
「100%な」
いい天気だった。
柿ノ木中との練習試合。
今日は俺はシングルス
一番手に試合。
(。)
コートの周辺には立海で試合する時と違って人はまばらだ。
その中にの姿。
(俺が負けるはずがないとよ。)
「これより立海と柿ノ木中との練習試合を始めます。立海・仁王vs柿ノ木中・並田」
(ワンポイントも・・・)
サーブは俺から。
(落とさん!)
ボールは相手の隣を綺麗に抜ける。
「雅治」
「ん?」
「へへっ」
「なんじゃ?。どうした?」
「呼びたくなっただけ」
愛しくて
好きで好きで
「」
触れたいと思った
いつもより近くに
世界中の誰よりも近くに
少しの隙間もないほど
側にいたいと。
「・・・えっちょっ・・雅治・・」
「」
の服をキスをしながら脱がそうとする
「ちょっちょっと待って!」
「嫌。」
「まさはっ・・・あっ・・」
愛しくて
好きで好きで
触れたいと思った。
「ダメだったら!!!!!!」
「・・・・」
の体に触れようとする俺の手が止まる
「?」
「ダ・・・メ」
愛しいと思ったお前が泣き目で
「?嫌だった?」
「・・・・」
「・・・」
「こっ心の準備が・・・あっあたし・・・初めて・・だから・・・」
愛しい。
触れたい。
「・・・・」
だけど
理由があっても拒否されると落ち込むもので。
「・・・・・」
「あのっ雅治?」
直に少しでも触れたの温度が
手をしびれさせていく
「あのっじゃっじゃあさ、こうしよっ?」
「・・・・どうすると?」
「明日練習試合でしょ?そっそれでワンポイントも落とさないで雅治が勝ったら・・・・。」
「俺の部屋に泊まってくれる?」
「・・・・・・・うっうん」
「絶対じゃな?」
「・・・・・・」
「?」
「うんっ・・・絶対。」
昨日の夕方
俺の部屋での出来事。
「ゲーム仁王4―0!」
次々と相手のコート内へ決まる俺のボール。
まだ俺からワンポイントも取らせていない
「ちっ・・・くそっ」
「・・・すまんが、ワンポイントもやらん。」
ネットをはさんで向かい側に立つ相手の舌打ちと悔しさの声。
名前も覚えとらんそいつ。
今だけは俺の恋路のライバル
(お前さんはのこと知らんだろうが)
何度かボールを俺の足元でバウンドさせる
再び俺のサーブ。
「ひっ!」
俺のサーブは相手の顔面横すれすれを通る
いや、少しかすったか。
「・・・ワンポイントもやらん」
俺はすぐに次のサーブを打つ態勢に入る
俺の試合を見つめるに一瞥。
ボールを真っ直ぐ俺の真上へあげる
いつもより近くに
世界中の誰よりも近くに
少しの隙間もないほど
側にいたいと。
なぁ
そう思う俺は、どこか変か?
愛しくて
好きで好きで
世界中の誰よりも近くに
側にいたいと。
「ゲームウォンバイ!仁王!6―0」
試合が終わって
相手との握手もさらっと流して終える
(長い恋路じゃ)
他のレギュラーの連中の所へは向かわず
俺はがいるほうへ向かう。
フェンスからでての所まで。
が、俺を見て笑う
「すごいね!雅治!!本当にワンポイントも取らせないで!!」
「ほめてくれるのはうれしいが・・・。」
はぐらかすなよ。
多大なる賞賛よりも。
「今日は俺の部屋に泊まってくれるんじゃろ?」
「!!」
耳元でささやけばびくっとあがる肩。
「あのっ・・・まさはっ・・・」
「」
「んっ・・・・」
その先は言わないで。
お前さんに拒否なんて選択肢はあげない。
その先は言わせない。
唇で唇を塞いで。
お前さんに拒否なんて選択肢は選ばせない。
「約束、したじゃろ?」
「・・・雅治・・」
「ほめてくれるのはうれしいが・・・・。」
多大なる賞賛よりも
「言葉よりがいい。」
君を。
「仁王ー。いったい何人がここにいると思ってんだぃ」
「そうっすよ、仁王先輩。見せ付けてくれちゃって。」
「!!」
「そういうことじゃ、真田、柳。丸井と赤也がを恥ずかしがらせるから俺は帰る。」
「仁王!」
「いいじゃないか、弦一郎。仁王は勝ったんだ。問題ない。」
「む・・・・」
と手を繋いで
いちよ仲間に断りをいれに
「ありがとな、参謀」
「お前が燃えてた理由か?」
俺の隣赤い顔を隠そうとうつむく。
「ワンポイントも取らせんようにな。いつも通りのことだが」
「・・・・・」
それを知っててワンポイントも取らせないことを条件にした
お前さんも思ってくれた?
この手をつないでいるように
少しの隙間も俺たちには不必要。
「お疲れさん」
残した言葉はそれだけで
と手を繋いで俺の家までの家路を辿る。
「・・・・・雅治」
「ん?」
「・・・・呼びたくなっただけ。」
触れたいと思った
いつもより近くに
世界中の誰よりも近くに
少しの隙間もないほど
側にいたいと。
「。」
「ん?」
「呼びたくなっただけじゃ」
「!!」
俺は笑った。
うつむくが、恥ずかしがるが愛しくて。
手を繋いで歩いて行く。
2人の間に隙間もないような
隙間は不必要な、そんな恋路。
赤く染まる俺の隣の。
側にいようか。
世界中の、誰よりも近くに。
End.