「だぁからっは俺と帰るの!」
いや、一人で帰ります。
「芥川先輩。悪いですけどさんと一緒に帰るのは俺ですから。」
「あーん?何言ってんだ鳳。は俺様と帰るんだよ」
いや、だからね。一人で帰るって
「アホやなぁお前ら。は俺と帰る言うたやん。なぁ?」
「そんなことは言ってねぇだろ?!」
「・・・宍戸、お前もと帰るのは俺だとか思ってんだろ?」
「・・・・」
「「「「だぁから!は俺と!!!!」」」」
お願いです。
お願いですから、一人で帰らせて下さい。
『ラララ独壇場』
「・・・あたしは一人で帰るよ。」
「ふざけんな、伊達眼鏡!!」
「伊達は関係ありませーん!」
「先輩方、それじゃあ子どものケンカですよ!」
「だぁからっ!」
「ジロー、お前は寝てろ」
シカトか?
・・・・シカトだ。
腹が立つくらいのシカトだ。
ざわざわと騒がしい部室前。
跡部、忍足、宍戸、ジローくん、長太郎の5人がもめる。
あたしと誰が一緒に帰るかである。
あたしは氷帝テニス部のマネージャーをしているんだけど。
部活が終わればいつもこれだ。
「お前らなんかとが一緒に帰るかよ。」
「それはこっちのセリフやんなあ」
「あん?んだと忍足?」
「ー俺と帰ろ?」
にらみ合う跡部と忍足を傍目にジロー君があたしに無邪気な笑みを振りまきながら言う。
「あのね、ジロー君。あたしは一人で帰るから誰とも帰らないよ」
「「「「「は?!」」」」」
・ ・・・信じてたのに、宍戸。
あなたまで、は?!って言ったね?
「えーなんでなんで?」
「・・・・・・目立つじゃん。あんた達と帰ると。」
「目立つくらいいい加減慣れてください!」
いいえ長太郎。
目立つのは試合の時だけで十分よ。
ホストよりの中学生を世間は見慣れてないんです。
「だけどよ、。一人で帰るのは危ねえじゃねえか。」
「宍戸の言うとおりだ。」
「!」
「先輩!!」
「そうやで!!!帰り道は狼だらけや!!」
狼はお前だ。
今までは振り切ってきたのに。
今日ばかりはもうダメらしい。
みんな目が怖い。
でも
ここで諦めたら全てが終わるどころか始まってしまう!
こいつらの勝手が。
「・・・・・・やっぱりあたしは一人で帰るよ」
「だぁから!俺がと帰るのー」
「あきらめぇや、ジロー」
「「「だから俺が!!!」」」
シカトか?
本日二度目か?
「だから、あたしは一人でっ・・・・」
<ガンっ!!>
ぱらぱらと部室の外観の壁が砕けて落ちた。
壁を殴ったのは・・・
「ごちゃごちゃうるっせぇんだよ!四人共消すよ?」
「「「ジロー!キャラ違うから!!」」」
・・・・違いすぎます。
ジロー君さっきまでの無邪気な笑顔はどこに?!
「(ぼそっ)芥川先輩が消す前に俺が先輩達を消します」
黒いよ長太郎。
真っ黒じゃないか。
一番聞いちゃいけないセリフが聞こえちゃった。
「・・・・なら、勝負で決めようぜ?」
「「「「勝負?」」」」
「ちょっと跡部。勝手に決めないでよ!」
「勝負って?」
もう泣いてもいい?
宍戸がシカトしたー!!
テニスコート上にテニスボールが一つ置かれた。
「ルールは簡単だ。ここから一斉にスタートしてあのボールを一番早く取った奴がと帰れる。」
「跡部、どうしたらあたしは一人で帰れる・・・」
「じゃあ行くぜ?準備はいいな?」
・・・・いいわけない。
あたしの言動は全て流される。
コートの白線へ並ぶ5人。
「。合図はお前がしろ。」
意味が分からない。
訳がわからない。
なんであたしと帰りたがるかな?
「勝つ!」
「負けませんよ!宍戸さん!!」
どうしてあたしはためらいもなく
合図をしようとしてるかな?
いや、ためらいならばっちりあるんだけど。
身構える5人。
「4人共消す。」
「・・・・ジローは早よキャラ戻しいや・・・・・」
「は!バカか?お前ら。勝者は・・・」
「・・・・・・・・スタート!!」
「「「「「俺だ!!!!」」」」」
夕日の染めるコートで5人は走る。
たった一つのボール目掛けて。
あたしの自由の帰り道を奪う権利をかけ。
・ ・・・・・跡部も忍足も宍戸もジロー君も長太郎も、
みんなホストだ。
絶対中学生じゃない。
ホストと帰る中学生の女子。
世間の目は冷たい。風当たりも強くなるんだろうな。
・ ・・・・そんなことを考えていると泣けてきた。
「「「「「!!!!!」」」」」
コートに置かれたボールが一人の手によって持ち上げられた。
「「「「「「樺地!?」」」」」」
「ウス」
「「「「「ウスじゃねえ!!!!」」」」」
「樺地!」
あたしはさっきまでコート上に置かれていたボールを持っている樺地のもとへ駆け寄った。
「樺地、どうしてそのボール・・・」
「ウス」
「え?コートにボールが落ちてたから片付けようとしたの?」
「ウス」
「なんでウスだけでそこまでわかんねん、」
あたしは樺地の持ったテニスボールを見つめた。
「ちっ!仕方がねえ!もう一度やり直しだ!おいっ樺地。ボールをそこに置け。」
「ウス」
「ううん。その必要はないわ。」
「?」
「さん?」
「勝者は、樺地よ」
「「「「「なっ!!!!」」」」」
お帰りあたしの自由な帰り道。
あたしは樺地の手を指差した。
「勝者の証は、樺地が持ってる。」
一陣の風が吹く。
あっけらかんとしたホストたちの顔。
ありがとう樺地。
さよならホスト。
「さあ、帰るわよ。樺地。」
「ウッウス」
あたしと樺地はコートを後にする。
振り向くと跡部達は固まったままあたしたちを見送っていた。
「ー!帰ろー!!」
「いや、あたし樺地と帰るから。」
「「「「「・・・・・・・」」」」」
その日からあたしは樺地と帰ることを日課とした。
・ ・・そう、
敗者はホスト!
勝者は樺地!
End.
つまんなくてすみません!!