会いたくて。
会いたくて。
ずっと、会いたくて。
「え?あれ中等部の丸井ブン太じゃない?」
「嘘?・・・・あれ?もっとかわいい感じじゃなかったっけ?」
「・・・・めっちゃかっこよくない?」
「・・・・誰か待ってるのかな?」
いつだって会いたくて。
今でも会いたくて。
いつまでも会いたい。
ずっと、待ってた。
その人に、会える日を。
『早春賦』
立海大学附属高等学校。
うちは大学までの一貫校だから、立海大附属中学を卒業した奴は
大抵ここに進路を決める。
俺もその1人。
中学の卒業式が終わって、高校の入学が決まって、
入学式まであと少し。
だけど、それまで待てなかった。
高校の校門に入ってすぐ近くの花壇。
レンガ積みなったそれに、俺は腰を下ろして。
校門から家路につく生徒たちをずっと見ていた。
生徒たちもまた俺をちらちらと見ていく。
そりゃそうか。この赤髪、目立つんだろうし、
中学校時代に俺を見知ってる先輩たちもいたかもしれなかった。
(・・・・・いない。)
・ ・・違う。
あの人も違う。
この人も違う。
いない、いない。
・ ・・どこ?
今は春休み。それは中学も高校もだ。
それでも高校に登校してくる生徒は部活があるか、入学式の準備に登校してくる生徒会役員か。
あの人は、あきらかに後者だ。
「ねぇねぇ、君、中学でテニス部レギュラーだった丸井くんだよね?」
「・・・そうですけど。」
「やっぱりー!!そっか!中学卒業したんだよね。今年うちに来るの?」
「はぁ、まぁ。」
きゃっきゃっと俺の目の前に2人組みの女子。
高校の制服。
見知りもしない顔。
目の前でどんどん話を進めるその2人に適当に返しつつ、
俺はその間にも校門から学校の敷地内を出て行く生徒をチェックする。
・ ・・違う。
あの人も違う。
この人も違う。
いない、いない。
・ ・・どこ?
「ねぇ、誰か待ってるの?」
「・・・・・まぁ。そんなところ。」
「えっ?誰待ってるの?」
「・・・・・・・・・・・・・・・会いたい人。」
どこ?
どこにいんだよ。
風のうわさ頼りに、今日その人が学校に来ていることを知った。
入学式なんか待ってらんなかった。
・ ・・・・だって。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ブン太?」
遠くから、声。
聞きたかった声。
探してた声。
会いたくて。
会いたくて。
ずっと、会いたくて。
「・・・・会いに来たぜぃ?先輩。」
春が待ち遠しかった。
「・・・本当に、ブン太なの?」
「見違えた?」
「・・・だって、私服じゃわからないよ。・・・合格したの?」
「とっくに。」
立ち止まる先輩に、俺が歩み寄れば。
後ろで文句をたれながらも、
さっき俺に話しかけてきた2人は帰っていった。
まだ行き来する生徒は俺と先輩を不思議そうに、珍しそうに見てる。
俺は先輩の真正面に立つ。
先輩は目を見開いて、俺をその目に映してた。
俺は思わず笑う。
「・・・・今、時間ある?」
ほら、少しだけど。
先輩を見下ろせるようになった。
ねぇ、
俺のこと少しは待っててくれた?
それは一年の冬。
「丸井、丸井!全校集会くらい起きてろよ!」
「ジャッカル、あんまりうるせぇとしかられるぜぃ?俺の代わりに。」
「・・・・お前のせいって言うんだよ、そういうのは。」
生徒会が主催の全校集会。
そのときテニス部の練習が楽しくて仕方なかった俺は眠くて、自分のことで精一杯だった。
当時生徒会選挙の真っ最中。
新しい生徒会役員を全校による投票で決める。
自分のことで精一杯の俺にはそんなことはどうでもよかった。
立候補者をろくに見ず、だって誰になったって変わんないって思ったし。
気付けばそんな時間は瞬く間に過ぎて、
その全校集会はすでに決まった新役員のお披露目会になっていた。
「私が、今年度生徒会長となりました。です。」
長い校長のあいさつに閉じかけていた瞼。
でも、それは突然の凛とした声によって制止される。
全校集会ってのは、多少ざわつきがあったりするものだけど、
そのときは、世界中の音が消えちまったのかと思うくらい静かで
耳が痛かった。
全校生徒の前に立つ、その人のせいで。
「ジャっ・・ジャッカル、あれ誰だよ?!」
「あ?・・・だから新しい生徒会長だって」
真っ直ぐに伸びた背筋。
端整な顔たち
凛とした声、話し方。
俺の眠気は吹っ飛んだ。
「新役員と一緒に協力して頑張っていきます。よろしくお願いします。」
こんな人がこの学校にいたなんて初めて知った。
心臓の誤作動。
・ ・・嘘だろぃ?
すごく綺麗で、すごく堂々としていて。
俺は1年。向こうは2年。
でもそのときはもう二学期の終わり。
時間なんて瞬く間に過ぎていく。
廊下を歩けば、その人のことを探すようになった。
その声を探すようになった。
会いたい。
どんな、人?
知りたい。
どんな風に笑う?
でも、そう思ったのは俺だけじゃなかったらしい。
「幸村っ・・・・・・って!え?!」
「やぁ、丸井。」
「・・・幸村君の友達ってことは彼もテニス部、かな?」
「先輩、紹介しますね。この赤髪は丸井ブン太。」
「うん、名前は知ってるよ。赤髪目立つから。」
「・・・・・・・・・・・・・」
なぜか、いつの間にか。
幸村は先輩と仲良くなっていて。
部活の用事で幸村を探せば、よく先輩と廊下で話している姿を見かけるようになった。
初めて見た笑顔は思っていたよりもずっと綺麗だった。
俺の名前を知っていたことを知った日から、
俺はずっと。
「先輩!」
「おはよう、丸井くん。」
「これからどこ行くんすか?俺も行っていいだろぃ?」
「うん。いいよ。図書館だけど、丸井くんは本読むの?」
「・・・全然。」
「じゃあ、今日をきっかけにしてね。」
会えば、駆け寄って話しかけて。
廊下を歩けば先輩を探した。
先輩の声を探した。
俺はそのとき先輩より背が低くて、
会話をする度に少しだけ先輩を見上げなければならないことが嫌で仕方がなかった。
(あれだ!乳製品!ミルク味のお菓子!!)
「ブン太?お菓子ばっかりじゃお昼よくないよ?」
「いいんですよ!全部乳製品なんだぜぃ?」
「・・・・うん、違うね。」
「え?」
先輩は人望が厚くて、綺麗で。
噂によると頭も良くて。
みんなに好かれてた。
みんなが先輩の近くにいようとして。
でも、誰よりも俺が傍にいてやろうって決めて、
よく、先輩のいる生徒会室にもぐりこむようになった。
努力のかいあって、先輩はいつからか俺のことを呼び捨てしてくれるようになった。
休み時間も、昼も。
できるだけ傍にいたかった。
だって。
背伸びしたって届かない人だと、知っていたから。
「。俺お前のことが好きなんだけど。」
「・・・・ごめんなさい。今は生徒会も忙しいし・・・・・」
先輩が呼び出されることなんかしょっちゅうで。
その告白現場を何度かみたことだってあった。
そのたび、先輩は辛そうな顔してごめんなさい。
俺も、伝えたりしたら。
・ ・・言ったりしたら、あの人にあんな辛そうな顔させながら
ごめんって謝らせることになんのかな。
人望が厚くて、綺麗で。
みんなが先輩のことが好きで。
俺も好きで。
好きで、好きで。
「・・・先輩。」
「ん?」
「放課後も生徒会室にいるんすか?」
「うん。生徒会の仕事してるよ。」
「・・・部活、見に来ません?俺の妙技、天才的なんだぜぃ?」
「・・・ブン太って前から思ってたけど、敬語たまにおかしいよね。」
「・・・・そう?(・・・はぐらかされた。)」
「うん。かわいいけど。」
かわいいじゃなくて、かっこいいがいい。
「じゃあ、敬語使わなくてもいい?先輩もつけなくていい?」
「・・・・・ブン太。」
「部活、見に来るだろぃ?」
知ってる?
俺少しだけど身長伸びたんだ。
いつか追い越して先輩を見下ろすから。
かわいいじゃ、綺麗な先輩の隣にいてもかっこ悪いだろぃ?
俺、かっこよくなるから。
だから。
「・・・・呼び捨てはダメ。でも、敬語は使わなくてもいいよ。」
「・・・・呼び捨てダメなのかよ。」
「ダメ!あたしはブン太の先輩だから。」
たった一年の時間が憎い。
背伸びをしても追いつけない。
かわいいじゃなくてかっこいいがいい。
ねえ、俺も伝えたりしたら。
・ ・・言ったりしたら、あの人にあんな辛そうな顔させながら
ごめんって謝らせることになんのかな。
好きなんて言ったら、もう傍にいられなくなる?
「部活、今日の放課後見に行くね!!」
綺麗な笑顔が好きだった。
でも、俺のほうが圧倒的に子供。
先輩の前に立つと、なんでも見透かされてるみたいだった。
俺が言ってほしい言葉をくれるけど。
俺には先輩の欲しい言葉はわからない。
(好きなんだよ。)
背伸びしても届かない。
ただこねて、好きだって叫んだら。
大人な先輩は、そっと頭を撫でてくれるんだろう。
でも、
そうじゃなくて、
俺は、対等になりたかった。
人望が厚くて、きれいで。
みんなから好かれてて。
季節が巡る。
時間が、瞬く間に。
一年の差が憎い。
気付けば、先輩は卒業を迎えていた。
いつも生徒会室で会って。
たびたび部活の練習を見に来てくれるようになって。
でも、言えなかった。
背伸びをしても届かなかったんだ。
「先輩!!」
「・・・・・ブン太」
「・・・・・・あのっ・・・・」
「ん?」
「そっ卒業おめでとう!!」
「・・・うん。ありがとう。」
最後の最後まで綺麗な笑顔。
大好きな笑顔。
過ぎてしまう時間。
・ ・・どうしたらいい。
かわいいじゃなくてかっこいいがいい。
先輩の中で俺はどこにいる?
「・・それから・・・・」
「うん。」
「それから・・・・・・。」
ねえ、俺も伝えたりしたら。
・ ・・言ったりしたら、あの人にあんな辛そうな顔させながら
ごめんって謝らせることになんのかな。
好きなんて言ったら、もう傍にいられなくなる?
でも、今日を逃したら、
いつ声にする?
「・・・せんぱっ・・・・」
「あっブン太。じっとしてて。」
「え?」
先輩は、俺の髪に手を伸ばす。
離れれば、一枚の木の葉が、
先輩の手から落ちていった。
「ついてたよ。」
「あっ・・・さんきゅ・・・」
「・・・ブン太は、会ったときから変わんないね。」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
最後の最後まで綺麗な笑顔。
俺の好きな笑顔。
・・・・変わってないのかよ。
先輩の中で俺は、ちっとも。
変わって、ないのかよ?
「っ・・・・・先輩!!」
「えっ・・・ブンっ・・・・・・」
「俺はっ・・・・・・・俺、は・・・・・・・・・・。」
必死に掴んだその細い手首。
違う。
気付いた?
俺、少しだけど先輩の身長を追い越した。
まだ、見下ろすってわけにはいかないけど。
・ ・・・・・・でも。
(でも。)
ずっと、好きだったんだ。
「ブン太・・・・?」
「・・・・・続きは、次に会ったら言うから。」
「・・・・・え?」
「・・・俺、ぜってぇかっこよくなってやるから!」
「・・・・・・・・・」
「・・・だから、・・・・・・・それまで待ってろぃ!」
ずっと、好きだったんだ。
ずっと、誰よりも傍にいてやろうって思ってたんだ。
ずっと、ずっと。
好きだったんだ。
「・・・・・・いいよ。待っててあげる。」
最後の最後まで綺麗な笑み。
俺の大好きな笑顔。
背伸びしても届かないから。
背伸びしなくても届くように。
目線は一緒になれるように。
先輩を見下ろせるように。
「ブン太さん、また告白断ったんすか?彼女いないなら付き合ったければいいのに。」
「・・・・彼女はいなくても好きな奴ならいんだよ。」
「マジ?・・・あれ?なんで付き合ってないんすか?もしかしてフラれ済?」
「バカ也。待たせてるだけだっての!!」
会いたくて。
会いたくて。
ずっと、会いたくて。
いつだって会いたくて。
今でも会いたくて。
いつまでも会いたい。
ずっと、待ってた。
夏も秋も冬も、早く、早く。
春が待ち遠しい。
会いたい。
早く、会いたい。
ずっと、待ってた。
「相変わらず生徒会の仕事してるって噂で聞いたから、会えるかと思って待ってた。」
「・・・そう。」
「・・・この公園よってこうぜぃ?」
「うん・・・・。」
中学の卒業式が終わって、高校の入学が決まって、
入学式まであと少し。
先輩が高校の校舎からでてきて、俺は先輩に時間をもらって、
2人で学校の敷地内からでてしばらく歩いてた。
見つけた公園。
話がしたくて、座る場所を探す。
「先輩、あのベンチ。」
「あっ・・・・・・・」
あのときと同じ細い手首をつかんで、
見つけたベンチのもとに歩く。
空気は冬よりずっと暖かくなってきて、
もうすぐそこに、春がくる。
「先輩、夏の大会見に来てくれてたんだろぃ?」
「・・・うん。」
「幸村が気付いたらしいんだけど、俺は気付けなかったから少し悔しかった。」
「・・・・・・・・・・・・・」
並んで座るベンチ。
変わらないのは真っ直ぐに伸びた背筋と、その端整な顔つき。
先輩は、さっきっから俺のほうを見ようとしてくれなかった。
もう、離している手。
・ ・・・・入学式まで、待てばよかったと言うんだろうか。
「先輩っ・・・・」
「なんか、変だね。」
「・・・何が?」
「先輩って。・・・・・ブン太は普通に話すのに。」
「・・・・・じゃあ、呼び捨てしてもいいのかよ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・ダメ。」
・ ・・・ダメなんだ。
こっち、見て欲しい。
気付けよ。
待っててくれるって言っただろぃ?
「・・・。こっち見ろよ。」
「呼び捨てダメだって。」
「いやだ。」
「ブン太っ・・・・・」
「俺のほう見て話しろぃ。・・・・じゃなきゃ何も聞かない。」
「・・・・・・・・・」
こっち見ろよ。
まだ見てないから。
笑って見せてほしい。
前のように。
(・・・なんで。)
目をあわせてくれないんだよ。
・ ・・・待たせすぎた?
先輩はずっと俺のほうを見ようとはしてくれなかった。
さっきよりもうつむいて。
表情がだんだんわからなくなってくる。
「・・・・俺のこと、待っててくれたんじゃなかったのかよ?」
「・・・・・・・・・」
「・・・、こっち見ろぃ。」
「・・・・・・・・・」
「」
ダメなのかよ。
まだ背伸びをしても届かない?
だだこねて。
泣きじゃくらないと頭を撫でてくれない?
なぁ、
会いたかったのは、俺だけ?
「・・・、ちょっと立って。」
「えっ・・・ブン太っ・・・・」
「いいから!ちゃんと見ろって。」
「っ・・・・・・・・・」
の手を引っ張って。
真正面に向かい合って、2人でベンチから立ち上がる。
が、俺を見上げる。
ほら。
「俺、身長伸びただろぃ?」
「っ・・・・・・・・・・・・」
「・・・かっこよくなっただろぃ?」
手を伸ばせば、届くだろぃ?
の手を握れるだろぃ?
ほら。
ちゃんと。
「ブン太っ・・・・・・・」
「・・・・・俺は会いたかったんだよ」
両手で、を抱きしめられるだろぃ?
会いたくて。
会いたくて。
ずっと、会いたくて。
かわいいじゃなくて、かっこいいって思って欲しくて。
ずっと、背伸びなんかしたくなくて。
「・・・・先輩。」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・あのときの続き。」
待っててくれるって言ったから。
俺も待ったんだ。
ずっと、待ってたんだ。
「ずっと、好きだった。ずっと、会いたかった。ずっと。・・・・・ずっと。」
ずっと、会いたかった。
会いたくて。
会いたくて。
「・・・・待ってて、くれたんじゃなかったのかよ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「」
抱きしめる体を離せば、はうつむいて。
見下ろせるようになったから、
今度は、の表情が知りたくてその顔を覗き込む。
「・・・・・・っ・・・」
「・・・・・・・・待ってたよ。」
「・・・・・・・・・・・・」
「ずっと、待ってた・・・・・・・。そう言ってくれるの。あの日から待たされてたんだから。」
は涙目。
いや、もうちょっと泣き出してて。
赤い顔して俺を睨むから。
抱きしめたくて、仕方がない。
抱きしめたくて、仕方がない。
「・・・・・もっと早くに俺のほう見ろぃ。」
「・・・・・だって会えるの入学式だと思ってたんだよ?・・・こんなのフライング。・・・反則でしょ?」
「・・・・フライングって。・・・・誰だよ。夏に大会見に来た奴は・・・・・。」
「・・・・・会ってないもん。」
抱きしめたくて、仕方がなくて。
抱きしめる。
力一杯。が俺の腕に埋もれてしまうくらい。
「・・・・反則だよ。」
「まだフライングあった?」
「・・・・・・・・ブン太。かっこよくなってるんだもん。一年前はあんなにかわいかったのに。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
・・・・・・・・よかった。
待って、よかった。
よかった。
背伸びをしなくても届く。
が、待っててくれてよかった。
「・・・・、大好きだから。」
「うん。」
「だから・・・・・・・」
今一度。
抱きしめた体を離して、顔を覗き込む。
大好きだから。
ずっと、好きだったから。
だから、今日は会いに来た。
だから、涙が見たいんじゃなくて。
・・・・全部を言わないでいると。
はで俺の顔色を見て、ずっと何か読みとろうとしてくれた。
だって、それが大好きだったから。
だから。
俺が、
お前の、笑顔になれればいい。
ずっと見詰め合えば、
が涙を拭った。
そして、
笑って見せてくれる。
綺麗な笑顔。
あの笑顔。
「っ・・・・・・大好きだっての!!」
「きゃっ・・・・・・・・」
抱きしめたくて、仕方がない。
ずっと待ってた。
ずっと待たせてた。
だからその分これから傍にいる。
その分のそれ以上、傍に、いる。
入学式前のフライング。
だって待てなかったんだ。
会いたくて。
会いたくて。
ずっと、会いたくて。
いつだって会いたくて。
今でも会いたくて。
いつまでも会いたい。
ずっと、会いたかった。
に、会いたかった。
ずっと、会えなかった分を補うように、を抱きしめていると
待ち遠しかった春の匂いがした気がした。
一足早い、春の匂いが。
ずっと、ずっと。
「・・・・・・・・・ずっと、好きだった。」
ずっと、会いたかった。
end.